頭金ゼロでも家は建てられる?住宅ローンの頭金について徹底解説

2024.11.15

注文住宅コラム

今回は、初めて家を建てる方に向けて、住宅ローンの頭金について詳しく解説していきます。
「頭金って何?」「いくら必要なの?」「0円でも大丈夫?」など、よくある疑問にお答えしていきます。

◾️頭金とは?

まずは、頭金の基本的な考え方からご説明しましょう。
「頭金」とは、住宅を購入する際に、住宅ローンを組む前に自己資金として用意する金額のことです。
つまり、家の購入総額から頭金を差し引いた残りの金額が、実際に借りる住宅ローンの額となります。

例えば、3,000万円の家を購入する場合に500万円の頭金を用意したとすると、実際に借りる住宅ローンの金額は2,500万円になります。

頭金の役割は主に以下の3つです:

1. 借入額を減らし、毎月の返済負担を軽減する
2. 金利負担を減らす
3. 審査時の与信を高める

これらの役割から、頭金は単なる「先払い」ではなく、長期的な住宅ローン計画において重要な要素となっています。

◾️頭金はいくら必要なの?

では、具体的にいくらの頭金が必要だと思いますか?
・・・実は、頭金の金額に決まりはありません。
0円から始まり、購入価格の全額まで、状況に応じて様々です。

ただし、一般的な目安としては、以下のようになっています:

最低限の頭金 : 住宅価格の5%程度
理想な頭金 : 住宅価格の20%以上

例えば、3,000万円の家を購入する場合、
最低限の頭金 → 150万円(3,000万円の5%)
理想的な頭金 → 600万円以上(3,000万円の20%以上)
となります。

しかし、この金額はあくまで目安であり、個人の経済状況や将来の計画によって変わってきます。
また、金融機関によっても推奨される頭金の割合は異なる場合があります。

◾️頭金0円でも家は建てられる?

「頭金0円」で住宅ローンを組むことは可能です。実際に、頭金なしの住宅ローン商品も存在します。
頭金0円には以下のようなメリットとデメリットがあります。

<頭金0円のメリット>
1. 初期費用を抑えられる
2. 手持ちの資金を他の用途(家具購入など)に回せる

<頭金0円のデメリット>
1. 毎月の返済額が大きくなる
2. 総支払額が増える(利息の総額が大きくなる)
3. 審査が通りにくくなる可能性がある

頭金0円で家を建てることは可能ですが、長期的な視点で見ると必ずしも得策とは限りません。
可能な限り頭金を用意することをおすすめします。

◾️頭金を増やすメリット

さらに、頭金を増やすことで、様々なメリットが生まれます。具体的にみていきましょう。

1. 毎月の返済額が減少する
頭金を増やすことで、借入額が減少します。これにより、毎月の返済額も少なくなります。
例えば、3,000万円の家を購入する際に、頭金なしの場合と500万円の頭金を用意した場合を比較してみましょう。

・頭金なし(借入額3,000万円)の場合・・・
月々の返済額 約91,000円(金利1%、35年返済の場合)

・頭金500万円(借入額2,500万円)の場合・・・
月々の返済額 約76,000円(金利1%、35年返済の場合)

この例では、毎月約15,000円の差が生じます。
一方、35年間の支払い総額の違いを計算すると、約630万円の差となります。

2. 総支払額が減少する
借入額が少なくなれば、当然ながら返済総額も減少します。また、借入額が減ることで支払う利息の総額も減少します。
そのため、長期的に見ると、大きな違いになります。

3. 金利交渉力が向上する
頭金の割合が高いほど、金融機関からの信頼度が上がります。そのため、より有利な金利で住宅ローンを組める可能性が高まります。

4. 審査通過の可能性が上がる
頭金を多く用意できるということは、それだけ貯蓄能力があることの証明になります。
これは、住宅ローンの審査において好印象となり、審査通過の可能性が高まります。

5. 資産価値の下落リスクの軽減
不動産の価値は、経済状況によって変動します。頭金を多く用意することで、万が一不動産価値が下落した場合でも、
借入額が不動産価値を上回るリスク(いわゆる「負の資産」状態)を軽減できます。

◾️頭金の貯め方

頭金の重要性がわかったところで、具体的にどのように頭金を貯めていけばいいのかを考えていきましょう。
以下に、効果的な方法をいくつか紹介します。

1. 計画的な貯蓄
まずは目標額と期間を設定しましょう。例えば、5年後に500万円の頭金を用意するなら、月々約8.3万円の貯蓄が必要です。
給与日に自動的に定額を貯蓄口座に振り込むなど、システム化するのが効果的です。

2. 支出の見直し
日々の支出を細かくチェックし、無駄な出費を削減します。例えば、
・外食を減らし、自炊を増やす
・サブスクリプションサービスを見直す
・不要な物の購入を控える
などの工夫で、意外と大きな金額が貯まります。

3. 副収入の確保
本業以外の収入源を作ることも有効です。例えば、
・フリーランスの仕事
・投資
・不用品の売却
などが考えられます。
ただし、投資はリスクもあるので、十分な知識を身につけてから行いましょう。

4. ボーナスの活用
ボーナスの一部を頭金として貯蓄するのも効果的です。例えば、ボーナスの50%を頭金に回すというルールを作るのも良いでしょう。

5. 住宅補助制度の利用
住宅ローンを組む際に、国や地方自治体が提供する住宅取得支援制度を利用するのも一案です。例えば、
・住宅ローン減税
・すまい給付金
・地方自治体の独自支援制度
などがあります。これらをうまく活用することで、実質的な頭金を増やすことができます。

◾️頭金0円で家を建てるときの注意点

前述の通り、頭金0円で家を建てることは可能です。しかし、その場合には次の点に特に注意して住宅ローンを組む必要があります。

1. 返済計画の綿密な立案
頭金がないということは、その分借入額が増えるということです。長期的な視点で、確実に返済できる計画を立てることが極めて重要です。
将来の収入変動なども考慮に入れましょう。

2. 金利タイプの慎重な選択
変動金利は当初の返済額は少なくなりますが、将来的に金利が上昇するリスクがあります。
一方、固定金利は当初の返済額は高めですが、将来の見通しが立てやすいです。自身の状況に合わせて、慎重に選択しましょう。

3. 諸費用の準備
頭金が0円でも、住宅購入には様々な諸費用がかかります。具体的には、
・仲介手数料
・登記費用
・不動産取得税
・火災保険料
などです。これらの費用は物件価格の5〜10%程度になることが多いので、しっかりと準備しておく必要があります。

4. 繰り上げ返済の検討
可能であれば、将来的に繰り上げ返済を行うことを検討しましょう。そうすれば、総支払額を減らすことができます。

5. 火災保険と団体信用生命保険の加入
頭金0円の場合、住宅の価値全額をローンで借りることになります。そのため、火災保険や団体信用生命保険への加入が特に重要になります。

◾️まとめ

頭金の金額は、一人ひとりの状況によって最適な額が変わってきます。次の点を考慮しながら、自分に合った頭金プランを立ててみてください。

1. 現在の貯蓄状況
2. 将来の収入見込み
3. 希望する住宅の価格帯
4. ライフプラン(結婚、出産、子どもの教育など)
5. リスク許容度

頭金は、多ければ多いほど良いというわけではありません。例えば、老後の資金や子どもの教育資金など、
他の重要な資金計画とのバランスも考える必要があります。
また、頭金を貯めることは、単にお金を貯めるだけでなく、将来のためにコツコツと準備する習慣を身につけるという意味もあります。
この習慣は、住宅ローンの返済時にも役立つはずです。
住宅購入は人生の大きな決断の一つです。十分な時間をかけて検討し、
必要に応じて専門家(ファイナンシャルプランナーや住宅ローンアドバイザーなど)に相談するのも良いでしょう。

著者情報

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