住宅ローンの落とし穴に注意!賢い組み方のポイント

2024.09.22

注文住宅コラム

家は一生で一番大きな買い物。購入の際には、多くの方が「住宅ローン」を利用します。
住宅ローンは長期にわたる大きな金銭的負担を伴うため、慎重に検討する必要があります。
そこで、賢くローンを組むために、住宅ローンの基本から最近の傾向まで、幅広く解説します。

◾️最近の住宅ローン事情

近年、住宅ローンを取り巻く環境は大きく変化しています。
低金利政策の長期化により、住宅ローン金利は歴史的な低水準で推移しており、
多くの人々にとってマイホーム購入のチャンスとなっています。

一方、コロナ禍以降、経済の不確実性から、金融機関の審査基準が厳格化する傾向もみられます。
また、テレワークの普及により、郊外や地方での住宅需要が高まるなど、住宅購入の動機や条件も多様化しています。

さらに、環境への配慮から省エネ住宅への関心が高まり、それに対応した金利優遇制度も充実してきています。
フラット35やその他の金融商品でも、省エネ性能の高い住宅には特別金利が適用されるケースが増えています。

このような状況下で、住宅ローンを選ぶ際には、単に低金利を追求するだけでなく、
自身のライフプランや将来の経済状況を見据えた、より戦略的な選択が求められています。

◾️住宅ローンの種類は大きく分けて2つ!

住宅ローンは大きく分けて、民間金融機関が提供する「民間ローン」と公的機関が提供する「公的ローン」があります。
それぞれに特徴がありますので、自分に合ったものを選ぶことが重要です。

<民間ローン>
・銀行、信託銀行、信用金庫・信用組合、労働金庫
収入基準や対象物件の規則が比較的ゆるやかで、育児休業付きローン、退職金一括返済ローンなど、金融機関ごとに特色があります。
取引実績に応じて金利などの面で有利な場合があり、信用金庫、信用組合、労働金庫では、
会員又は団体会員の構成員であることや営業地域に居住しているか勤務していること等が条件となる場合があります。

・損害保険会社、ノンバンク(信販・クレジット会社など)
建設業者や住宅メーカーなどと提携してローンをあっせんする。

<フラット35>
フラット35は、全国300以上の金融機関が「住宅金融支援機構」と提携して扱う「全期間固定金利型住宅ローン」です。
新築時に住宅ローンを組む方の多くが利用しています。

・民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して行っています
・最長35年の長期固定金利型。金利は金融機関によって異なります
・融資額は物件価格の90%まで、最高8,000万円です
・借入れの際の保証料、保証人が不要。繰上返済時の手数料が無料です
・住宅金融支援機構が定めた技術基準をクリアすることが条件です
・省エネルギー性、耐震性などに優れた住宅には、「フラット35」の金利を一定期間引き下げる制度(「フラット35」S)があります

<公的ローン>
■財形
・住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)などが、一般財形貯蓄、財形住宅貯蓄、財形年金貯蓄などをしている会社員、公務員を対象とした融資です
・勤務先で財形貯蓄を1年以上続け、残高が50万円以上あることなどが条件です
・金利は5年固定金利型。貯蓄残高の10倍(最高4,000万円)まで利用できます
・「フラット35」と併せて融資を受けることも可能です

■自治体
・県や市町などの地方自治体が行う融資です
・「直接融資」「融資あっせん」「利子補給」の方法があります
・金利や内容、条件は自治体によって異なります
・一定の収入以下の人、住民税を滞納していないことなどの条件を定めている自治体が多いです
・全ての自治体にあるわけではないので事前にお住まいの地域の状況を確認しましょう

◾️金利タイプを比較検討しよう

住宅ローンの金利タイプには主に3種類あります。それぞれの特徴を理解し、自分のライフプランに合ったものを選びましょう。

<全期間固定金利型>
メリット:返済額が一定で、将来の計画が立てやすい
デメリット:金利が下がっても恩恵を受けられない

<変動金利型>
メリット:金利が下がれば返済額も減少
デメリット:金利上昇時には返済額が増加するリスクあり

<固定金利期間選択型>
メリット:一定期間は固定金利、その後は選択可能
デメリット:固定期間終了後の金利変動リスクあり

◾️返済方式を選ぼう

返済方式には「元利均等返済」と「元金均等返済」があります。

<元利均等返済>
返済開始から終了まで毎月返済額を一定にする返済方法です。
毎月の返済額が一定で、計画が立てやすい反面、返済の初期は利息の割合が高くなります。

<元金均等返済>
毎月の返済額のうち、元金部分を均等額とし、それに利息を合計して支払う返済方式です。
毎月の元金返済額が一定で、返済が進むにつれて返済額が減少していきます。
金利が上昇しても、元利均等返済ほどは総返済額が増えない点がメリットです。

<元利均等返済と元金均等返済のどちらを選ぶ?>
今後、住宅ローンを返済しながら貯蓄していきたい方や、子どもの教育費用など住宅ローン以外の支出の予定がある方は、
元利均等返済を選ぶ方がおすすめです。
一方、子育ても落ち着き、家計に余裕のある方は元金均等返済を選ぶ方がおすすめです。
ただし、元金均等返済は取り扱っていない金融機関もあるので事前に確認しましょう。

◾️返済期間を適切に設定しよう

返済期間は長くすると毎月の返済額は減りますが、支払う利息の総額は増えます。
可能な限り、定年退職までに完済できるよう設定しましょう。

<繰上げ返済を視野に入れる>
将来的に収入が増える可能性がある場合は、当初は返済期間を長めに設定し、余裕ができたら繰上返済を行うという戦略も考えられます。
多くの金融機関では、インターネットバンキングを通じて手軽に繰上返済ができるようになっています。

<団体信用生命保険と疾病保障に注目>
多くの住宅ローンには団体信用生命保険が付いていて、借入者が死亡または高度障害状態になった場合にローン残高が0円になります。
最近では、さらに踏み込んで、病気やケガで働けなくなった場合に一定期間の返済をカバーする疾病保障付きの商品も増えています。
家族の将来を守るためにも、これらの保障内容をチェックしましょう。

◾️最近注目の「40年ローン」とは

住宅ローンの返済期間は、35年が主流ですが、最近は、返済期間を「40年」に延長する銀行が増えています。
それに伴い、20代から30代前半の若い世帯では、40年ローンを組む人も増えてきました。
40年ローンには次のようなメリットとデメリットがあります。

<40年ローンのメリット>
・月々の返済額が少なくなる
・団体信用生命保険を40年間つけられる
・建築費の予算を上げられる
・返済期間を調整しやすい

<40年ローンのデメリット>
・返済総額が増える
・住宅ローンの金利が高い傾向がある
・取り扱う金融機関が限られている
・定年後もローンの返済が続く可能性が高い

40年ローンは、まだ若くてまとまった収入を安定的に得られない方や、
二世帯住宅で親子での返済を計画されている方がよく利用されますが、40年にわたる返済期間中、
無理なく返していけるかについて慎重に考える必要があります。
定年退職してからも住宅ローンを払い続けるのは、経済的にかなりの負担になります。

検討の結果、40年ローンを選んだ場合には、経済的な余裕ができたときに繰り上げ返済をしていくことをおすすめします。
返済期間短縮型の繰り上げ返済によって返済期間が短くなり、利息の負担も減らせます。

◾️住宅ローン選びのタイミングと注意点

<事前審査の実施>
住宅ローンの事前審査は、住宅の購入や建築を決める前に受けることをおすすめします。
これにより、借入可能額や条件を事前に把握でき、予算に合った家選びができます。また、本審査で否決されるリスクも軽減できます。

<契約時の注意点>
住宅ローンの正式な契約名称は「金銭消費貸借契約兼抵当権設定契約」です。
この契約では、融資の対象となる住宅やその敷地が担保として設定されます。
契約内容をよく確認し、不明点があれば必ず質問しましょう。

<保証会社の利用>
一般的な借入れでは個人の保証人が必要になることがありますが、住宅ローンの場合は多くが保証会社を利用します。
保証料は上乗せされますが、個人に保証の負担をかけずに済むメリットがあります。

まとめ:自分に合った住宅ローンを選ぼう

住宅ローンは長期にわたる大きな支出です。
金利の低さだけでなく、自分のライフプランや将来の経済状況を見据えて選ぶことが大切です。
以下のポイントを押さえて、賢い選択をしましょう。

1. 自分の収入と支出をしっかり把握する
2. 将来の生活設計を考慮に入れる
3. 金利タイプ、返済方式、返済期間を比較検討する
4. 繰上げ返済や金利変動のシミュレーションを行う
5. 保障内容を確認する
6. 複数の金融機関で相談し、条件を比較する

住宅ローンは一度組んだら終わりではありません。定期的に見直しを行い、
必要に応じて借り換えを検討するなど、柔軟な対応を心がけることで、より効率的な返済が可能になります。
マイホームは人生の大きな夢の一つです。賢い住宅ローンの選択で、その夢を確実に実現させましょう。
ココアハウスは、お客様一人ひとりに合った最適な住宅ローンのアドバイスを提供し、夢のマイホーム実現をサポートいたします。

 

COCOA HOUSE

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